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 レコード屋の娘が、縁あって、そば職人の妻になりました。
 雑貨が大好きで、部屋の模様替えが趣味なので、「 今度 ゴミ箱 どこ? 」 とよく聞かれます。
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妻からそば職人へインタビュー
・ 2000年(初回)
新妻 「"元祖くるみ汁の店"とのうわさを聞きましたが、本当ですか?」
職人 「ほんとうでしょう。(笑)」
新妻 「1日に何人分のおそばを打つのですか?」
職人 「それは企業秘密です。」
新妻 「くるみには洋ぐるみと和ぐるみ※があるそうですが、どちらを使っていますか?」
職人 「和ぐるみです。ほとんどがここ秩父産です。洋ぐるみに比べて硬く、割るのが大変なんです。どなたか簡単に割れる方法をご存知の方、教えてください。 」
(おまけの質問)
新妻  「奥さん(私)がお店を手伝わないことはどう思っていますか?」
職人  「そういう約束で結婚したから、しょうがないでしょう。」
新妻  (ほっ。)
<妻メモ> ※ 和ぐるみは鬼ぐるみとも言うそうです。

・ 2007年(2回目)
妻 「7年ぶりのインタビューってことは、結婚して7年半ってことですか?」
職人 「…。(だまってうなずく)」
妻 「子育て三昧の日々※ だったね。」
職人 「そうだな。」
妻 「今年は、とうとう道路拡張で代替地(道向かい)に移転ですね。今の心境は?」
職人 「いやになっちゃうなぁ…。」
妻 「どんなお店になりそうですか?」
職人 「席数を少し減らして、今よりもう少しゆったりした感じにしたいとは思ってる。」
妻 「変化を嫌うそば職人としては、移転は大変なお仕事ですね。」
職人 「新しい店は、車椅子の人にも来てもらえる様にしたいんだ。」
妻 「そういえば、2人(息子)がこの間まで使ってたベビーベッドをトイレに置こうっていう話は生きてるの?」
職人 「そうなんだよなぁ。場所が取れたらいいんだけど…。※※※」
妻 「赤ちゃんが一緒の人も増えてきたって言ってたよね。」
職人 「そうなんだ。若い人が増えてるんだよね。」
妻 「あっ、それ、私の‘となりのトトロ’のめいちゃん※※ のおかげかな?」
職人 「それはないでしょ。」
妻 「新しいお店になったら、私の提案した新メニュー入れてくれるの?」
職人 「ああ、くるみ汁と普通のおつゆ、両方で食べられるのね。」
妻 「名前は何にする?『 ぜいたく 』ってどう?採用してくれたらお礼に、新しいお店のお掃除位お手伝いしましょうか?」
職人 「うそばっかり。」
妻 「お掃除しやすいお店にしてねー。」
< 妻メモ >
※ 子育て三昧の日々 … 3才と6才の男の子がいます。
※※ 私の‘となりのトトロ’のめいちゃん … こそっと、お店の棚にめいちゃんのお人形を飾りました。
※※※ 結局場所が取れず、設置できませんでした。

 ・ 2011年8月(3回目)
妻 「( 祝結婚12年!を目前に )この頃、家庭内業務連絡は、はしょってるし、原発の話も噛み合わないし、 夫婦仲はいまいちだけど、お店の方はどうですか?」
職人 「(ちょっとムカついている…。) ここのところ、やっぱり “ あの花 ”※ 効果はあると思うよ。」
妻 「それは良かった! 確かに近頃、あの花と札所の “ W巡礼の地 ” になりつつあるもんね。これで、公園橋やさくら橋や秩父橋からミューズパークまで “ 虹と三輪車の遊歩道! ” でもできたら、“ ファミリー巡礼の地 = 秩父 ” になれそうだね!」
職人 「(また勝手なこと言ってるよ。)あの花ブームが、長く続いてくれると、良いんだけどなぁ。」
妻 「私、くるみの用意を手伝って思ったけど、本当にアナログ ※※ な作業だよね!金槌でくるみ割って、 殻から出して、殻の欠片が残っていないか慎重にチェックして、ペースト状にする。くるみを割りながら、「今この時代に、なんてアナログ なの!このお店は!」って10か月の間に、何度思ったことか。とうとう、お茶の間代表のテレビまで、 デジタルになったっていうのに。」
職人 「だから俺、その反動でパソコンが好きなんだな。」(やたら嬉しそう)
妻 「(そっけなく)そうだね。 でも “ アナログなやなぎや ” は、好きだよ!社会の中でも、ちゃんと意味を持ってると思う、とってもちっちゃいけどね。アナログって便利じゃないのに、そこに留まり続けるって、すごいことだと思う!そこだけは、本当に尊敬する!」
職人 「そこだけってのが、なんか嫌だなぁ。」
妻 「だって、」
職人 「いいよいいよ長くなりそうだから。で? くるみ割り、いつまでサボってるつもり?」
妻 「秋 〜 秋 だから、かれこれ1年になるね。」(大きく笑顔)
職人 「頼むよ〜。」(泣きそう)
妻 「分かった!!」
職人 ( あれっ? いつもと違う展開? )
<妻メモ>
※ 秩父が舞台となった、テレビアニメ 「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(2011年放送) のことです。 「あの花」公式サイト
※※ アナログ の使い方が違うと職人から注意連絡がありました。

 ・ 2013年5月(4回目)
妻 「もうすぐ結婚15年目に突入だね。駄目だったら別れればいいや!と思って結婚したけど、なんとか続いたね。」
職人 「そう思ってたの?……。」
妻 「そういえば職人はプロポーズの時、結婚できれば、そば屋はやめてもいいんだ!みたいなこと言ってたんだけど、覚えてる?」
職人 「えっ?お父さんそんなこと言った?覚えてないなぁ…。」
妻 「忘れちゃうんだね〜。でも、おそば屋さんやめて別の仕事をしてたら、上手くいかなくて、今頃は離婚してたかもね。」
職人 「そう?(ムカつき気味)」
妻 「私、とうとう、くるみ割り再開したけど、前よりくるみの割れる音がいいでしょ?(自慢げ)」
職人 「そうだね、少し上手になったみたいね。あとは続くかどうかだな。」
妻 「大丈夫。子供たちが大きくなるまで、”売り上げに繋がるお手伝いをする”って決めたから。それに、ゆっくり子育てさせてもらったお礼もしたいしね。題して、くるみ割りで恩返し…添え。」
職人 「何それ? 何添え?」
妻 「内緒。それから私がくるみを割ってる姿を決して見たら駄目だよ!もし見ちゃったら…。(涙)」
職人 「は?そば打つ所から良く見えるんですけど?」
妻 「……(涙)」
職人 「ほんとに、イヤな奴だな。」

※ まとめの妻メモ … 私が本当にイヤな奴だという結論が出たところで、インタビューは、おしまいです。
結婚した頃、私だったら食べに行ったおそば屋さんで、どんな人がこのおそばを打っているのかな?って思うよなぁ…と思ったので、部外者だった私が、インタビューしてみようと考えました。
でも読み返してみると、ある夫婦の、時間経過と心の距離を表わす箇条書き、みたいな感じに仕上がりましたね。
これからは、また違ったかたちで、お店や職人の紹介をしていけたらと考えています。
ご清聴ありがとうございました。 2013年4月25日


手打ちそば専門店 やなぎや 〒368-0026 埼玉県秩父市相生町7-10 Tel 0494-22-1646

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